子どもでさえスマートフォンを片手に様々な情報を入手し、遠隔地にいる友達とつながっているような時代です。とはいえ、まだまだIT機器に対し不慣れであったり、パソコンを触るのが初めてという人も大勢います。
こうした人たちは何もITそのものを拒否していたというわけではなく、そもそも日常生活や業務上、そうした技術とかかわりを持たなくても支障がなかったために、触れる機会がなかったというだけです。
高齢者の方がパソコン教室に通うきっかけとして、これまでできなかったことを、ITの技術を使ってより幅広く行ってみたいという思いからだそうです。PCの操作を学びに行くようですので、やる気は十分にあると考えられます。こうした教室へ行けばPCインストラクターという操作方法などを教える立場の先生がいます。
PCインストラクターは、操作方法を生徒に体得させるため、教師というよりはコーチのような立場に立つことが大切だといわれています。
一方的に知識だけを教えてもそれは単なる知識の詰め込みにしかすぎません。実際に操作をさせてそのうえで必要最小限のことを覚えていくように「助言的な指導」で学習のきっかけ作りが望まれているのです。
教える立場の人はどうしても知識を伝えることに楽しさを覚えてしまいがちです。何かを知ってほしいときについつい、すべての手順を伝えてしまいがちです。
しかし、それでは教わる側の考えるということを奪ってしまいます。
本当に学びたい、知りたいと思った時、ひとは自然におぼえ、学ぶことができるのです。ですから、インストラクターの立場である人は「次にどうしますか?」といった質問を投げかけることが相手の考えを誘うことになる、と覚えておくのが良いでしょう。
このような少しの工夫で、未来の優秀なプログラマやエンジニアが生まれるのだと思います。IT業界で働くことを夢見る若者にとって大切なことは、「教科書だけを覚える」のではなく、問題が発生した場合に、「どうすべきか!?」を考え自らで研修する姿勢をもつことです。
IT技術者の求人要項に「自発的にものごとを考えられる人」とあるように、生産性が高いエンジニアやプログラマへの道をぜひインストラクターが導いてあげてほしいですね。